ひと昔前までは、ペットを飼いたいなら“一戸建て”を選ぶしかありませんでしたが、最近では「ペット可マンション」も増えてきました。特に分譲マンションでは、ペット飼育可能な物件の方が多くなっています。
ペット可マンションとは言っても、飼育可能な種類、大きさ、頭数などの細かいルールが管理規約で決められているので、自由気ままにペットの飼育ができるわけではありません。
今回はペット可マンションの規約とトラブル回避のコツについて見ていきたいと思います。
飼育可能なペットの種類・頭数・大きさについて
ペット飼育が認めらている分譲マンションでも、ペットの種類、頭数、大きさについては、管理規約で細かく定められていることが多いので、購入前に確認しておきましょう。
例えば、犬・猫の場合であれば、「胸骨から尾骨まで70センチ以下かつ体重10キロ以下、犬猫合わせて2匹まで」などの規定が設けられています。
また、「共用部分では抱き抱えるかケージ等に入れて移動すること」というルールもありますので、通常の分譲マンションであれば大型犬の飼育は難しいと考えておくほうが無難です。（ただし盲導犬などの身体障害者補助犬法に定められているものは、除外されているケースもあります。）
ペットには、犬猫以外にも小鳥やハムスターなどの小動物、水槽で飼育する熱帯魚や爬虫類など多岐に渡りますが、原則として他の入居者やご近所に不快感を与えるような動物は飼育できません。
当然ながら「毒を有するもの」は飼育できませんし、伝書鳩のように、屋外へ放鳥して帰巣するような習性を持つものも不可だと考えられます。
ペットは室内飼育
管理規約でペット可となっているマンションであっても、飼育可能なのは専有部分に限られるため、基本的には室内での飼うことになります。
共用部分にあたるバルコニーに犬小屋を置いて飼うことはできませんし、シャンプーやグルーミングをバルコニーで行うことも禁止されることが多いようです。
実際、バルコニーでグルーミングすると、ブラッシングで抜けた毛が飛散し近隣住戸の方に迷惑をかけることになりますので、十分注意しましょう。
また、鳴き声や足音などの騒音トラブルも少なくないので、窓を開けっぱなしにしない、普段から躾をきちんとする、フローリングにカーペットを敷く、行動範囲をサークルで囲うなどの工夫も必要となります。
特に、ペットのトラブルで多いのが「臭い」の問題です。糞尿や動物の体臭などは、飼い主は気にならなくても他の居住者には苦痛となります。共用部分で排泄をさせないよう細心の注意を払いましょう。共用部分で抱き抱えるのは、排泄トラブルを回避するための予防策でもあるので、面倒でもきちんと守ることが大切です。
最近のマンションでは「ペット専用足洗い場」が1階部分に設置されていることもあります。散歩して帰って来たときに共用部分を汚してしまうことがないよう、こうした施設がある場合は積極的に利用してみましょう。
入居者の中には「アレルギー」を持っている方がいるかもしれません。飼い主にとっては可愛い我が子のような存在かもしれませんが、人によって動物は接触を避けたい対象にしか過ぎません。ペット同伴でエレベーターを利用中であることを知らせる「ペットボタン」がある場合には、きちんと押して知らせることも心がけてください。
管理組合・ペットクラブへの届出
最近のペット飼育可マンションでは、飼っているペットの届出を義務付けるケースが増えているようです。届け出無しにペットを飼育することは、当然ながら規則違反となります。正式に届け出を行い、管理規約で定められた種類、頭数、大きさなどの制限をきちんと守ることが大切です。
また、マンションによっては、ペットを飼育しているオーナーが参加するペットクラブを結成しているケースもあります。ペットクラブでは飼い主同士の親睦を図るだけでなく、飼育マナー向上のための講習会の開催、他の入居者とのトラブルを未然に防ぐ活動などを行っています。
万が一、トラブルが発生した場合には誠意を持って対応に当たることが求められます。個人の問題だけでなく、ペットクラブの連帯責任となる場合もあるからです。問題を内容によってはペットクラブからの除名、以降ペットの飼育禁止といった厳しい措置を取られることもあります。飼育する際には規則とマナーを守り、責任を持って生活しましょう。
家族同様であるペットと気持ち良く生活するためには、最低限のマナーとルールを守ることが大前提です。その上で事前に管理規約をきちんと確認し、暮らしやすい物件を探しましょう。
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