働けなくなったときのリスクを保障する「ガン団信」という選択肢について

不動産トピックス

銀行から住宅ローンを借り入れる場合、原則として、団体専用生命保険(団信)に加入することが必須条件になっています。※

団体信用生命保険は加入者(債務者)が返済中に死亡もしくは高度障害となった場合、保険金で住宅ローンの残債を弁済するものですが、病気で働けなくなった場合については保障されていません。そこで、最近では三大疾病の一つであるガンのリスクに備える「ガン団信」が注目されるようになってきました。

※健康状態によって加入出来ない場合は「ワイド団信」や団信不加入でも借入れ可能な「フラット35」を利用することになります。

高まるガンの発症リスク

ガンは、三大疾病(ガン、脳卒中、急性心筋梗塞)の中で、現役世代の罹患者が最も多い病気と言われています。生涯で日本人の2人に1人がガンを発症し、男性の6人に1人、女性の4人に1人がガンで亡くなる現実があります。

またガンは闘病期間も他の疾患に比べても長く、復職率は5割を切り、退職率も4割を超える状況にあります。ガンによって、仕事を続けられなくなるリスクがあることを十分に認識すべきだと言えるでしょう。

このような背景もあり、2001年より住宅ローンの団体信用生命保険に「がん保障特約」(カーディフ生命が発売)がプラスされることになりました。

以降、保障対象はガンだけでなく、

  • 「3大疾病型」の脳卒中と急性心筋梗塞を追加
  • 「8大疾病型」高血圧症、慢性腎不全、慢性膵炎、肝硬変、糖尿病などの5つの重度慢性疾患を追加
  • 「11大疾病型」大動脈瘤および大動脈解離、上皮内新生物、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん追加

など、カバーする内容が増え続け、最終的には精神障害等を除くすべての病気やケガを保障する「全疾病保障型」まで登場しています。

ガン団信について

一般的に、ガン団信の保険料は支払い金利にプラスされ、毎月の返済金額と一緒に支払うことになっています。ガン特約のみであれば、多くの金融機関が0.1%の上乗せとしているので、例えば3,000万円35年返済(変動金利、ボーナス払いなし)の住宅ローンであれば、月々1,340円の支払いアップということになります。

ガン団信に加入していれば、免責期間(90日間)を過ぎてガンと診断されれば、その時点で住宅ローンの残債はゼロになる仕組みです。ただし、上皮内ガン・皮膚ガンは除外されている場合が多いので注意が必要です。

ガン団信の注意点

小さな負担増でガンによる経済的なリスクをカバーできる「ガン団信」ですが、いくつか注意点があります。

一つ目は、多くの場合でガン団信に加入できるのは、「満50歳まで」になっています。住宅購入を検討している方は、「ガン団信」の加入条件についても十分知っておく必要があります。この年齢条件は住宅ローンの借り換えの際も同様に適用されるので、ご注意ください。これまでガン団信に加入していたとしても、借替え時点で50歳を超えていれば、通常の団信にしか加入できません。住宅ローンの借り換えについては、返済負担の軽減と団信の保障内容を比較して考えることが大切です。

「ガン団信」は住宅ローンの借り入れ本人しか加入出来ませんので、夫単独名義の住宅ローンであれば、妻がガンになっても保障はありません。

また、ペアローンを組んでいた場合も、ガンに罹患した人の債務分しか保障されないので、健康な方の住宅ローンは残ることになります。

「ガン団信」と「ガン保険」の違い

TVCMでもよく見かける「ガン保険」と「ガン団信」はどのように違うのでしょうか。
「ガン団信」は、ガンに罹患した際、保険金で住宅ローンの残債を弁済するものですが、「ガン保険」の基本的な目的は治療費をまかなうことなので、保障内容が全く異なります。

「ガン保険」では、入院保障、通院保障、診断一時金などが支払われますが、「ガン団信」に加入していなければ、住宅ローンの返済は続けなくてはなりません。

一方、「ガン団信」に加入していても、入院保障や通院保障といった治療負担を軽減する保障はありませんので、それぞれの保障内容を十分に理解し、目的に合わせた準備をすることが大事です。

ガン50%保障団信という選択も

ガン団信の中でも、最近金利上乗せ無しで「50%保障」がついている金融機関があります。auじぶん銀行やソニー銀行といったネット系金融機関の住宅ローンでは、ガンと診断されたらローン残債が半分に減額されます。出来るだけ金利を抑えたいけれど、ガンにも備えておきたい人に向いています。50%ではなくやはり100%ガン保障を付けたい場合には、0. 05%から 1%金利を上乗せして保障を増やすことも出来ます。

場合によっては本来対象外となる上皮内ガンや皮膚ガンの診断特約が付いていたり、ガン診断給付(100万円程度)やガン先進医療給付(通算1,000万円)などのオプションが付いていることもあります。さらに入院一時金、入院時ローン月額給付などが保障されるようなプランもあります。

現在は低金利で各金融機関の住宅ローンは横並びです。返済金額とともに、団信を比較して選ぶのもおすすめです。

仲介手数料最大無料!尼崎市・伊丹市の不動産情報はハウジングステージ
仲介手数料半額!尼崎市・伊丹市の不動産売却・マンション売却はハウジングステージ
中古マンション売却相場価格・買取価格を瞬間査定!尼崎市・伊丹市マンションカタログ